水質分析・環境測定 業界用語集
水質分析・環境測定業界で使われる専門用語を分かりやすく解説します
水質分析・環境測定業界で使われる専門用語をカテゴリ別に整理し、分かりやすく解説しています。業務の理解や業界動向の把握にお役立てください。
水質分析関連
- 水質検査
- 水の成分や性質を調べる試験のことで、飲料水の安全性確保や環境保全のために実施されます。水道法に基づく水質基準は51項目あり、一般細菌、大腸菌、カドミウム、水銀などの有害物質、pH値、濁度などが含まれます。
- 法定検査
- 法律で実施が義務付けられている検査のことです。水道法による水質検査、水質汚濁防止法による排水基準の検査、労働安全衛生法による作業環境測定などが該当します。
- 環境計量証明
- 計量法に基づき、環境に関する濃度や音圧レベルなどを測定し、その結果を証明する事業のことです。全国に約7,000〜8,000の事業所が存在します。
- 水質汚濁防止法
- 公共用水域および地下水の水質汚濁を防止し、国民の健康を保護することを目的とした法律です。1970年に制定され、工場や事業場からの排水について排出基準を定めています。
- PFAS
- Per- and Polyfluoroalkyl Substancesの略で、有機フッ素化合物の総称です。「永遠の化学物質」とも呼ばれ、環境中に長期間残留し、人体への蓄積性や有害性が懸念されています。
- 土壌汚染対策法
- 土壌汚染の状況の把握、汚染による人の健康被害の防止を目的とした法律です。有害物質使用施設の廃止時や土地の形質変更時には調査が義務付けられています。
- 作業環境測定
- 作業場における有害物質の濃度や騒音などを測定し、労働者の健康を守るための制度です。6ヶ月以内ごとに1回の定期測定が義務付けられています。
- 大腸菌数
- 水中に存在する大腸菌の数を示す指標で、糞便汚染の程度を評価するために用いられます。2025年4月の改正により新基準は800CFU/mL以下とされています。
土壌・地質調査関連
- 地歴調査
- 土地の過去の利用状況や土壌汚染の可能性を調べる調査です。登記簿、古地図、航空写真などの資料を収集し、過去に工場があったかなどを調査します。費用は数十万円程度が一般的です。
- 表層調査
- 土地の表層部分(0〜50cm程度)の土壌を採取して汚染の有無を調べる調査です。900平方メートルごとに1地点の割合で試料を採取し、基準値と照合します。
- ボーリング調査
- 地中に垂直に穴を掘り、深度方向の土壌や地下水を採取して汚染の広がりを調べる調査です。一般的に地表から10m程度まで掘削します。費用は1箇所あたり数十万円〜百万円程度です。
- 要措置区域
- 土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域のことです。
- 形質変更時要届出区域
- 基準値を超える土壌汚染が確認されたものの、摂取経路がなく健康被害のおそれがない区域のことです。土地の形質変更時には事前届出が必要です。
環境測定技術
- GC-MS
- ガスクロマトグラフ質量分析計の略で、ガスクロマトグラフィーと質量分析を組み合わせた分析装置です。揮発性有機化合物やPFAS等の微量有機汚染物質の分析に威力を発揮します。
- ICP-MS
- 誘導結合プラズマ質量分析計の略で、水質や土壌中の重金属を超高感度で測定できる装置です。ppt(1兆分の1)レベルの微量分析が可能です。
- イオンクロマトグラフィー
- 水溶液中のイオン性物質を分離・定量する分析技術です。陽イオンや陰イオンを同時に分析でき、水質分析では栄養塩類や塩類の測定に使用されます。
- 連続流動化学分析装置
- 試料を連続的に流しながら自動で化学分析を行う装置です。栄養塩類の分析に特に威力を発揮し、定期モニタリングに適しています。
- 環境モニタリング
- 大気、水質、土壌、生態系などの環境要素を継続的に測定・監視することです。IoTセンサーや衛星観測技術によりリアルタイムで広域のデータを収集できるようになっています。
- IoTセンサー
- 環境データを自動的に測定し、インターネット経由でデータを送信するセンサーのことです。24時間365日のリアルタイムモニタリングが可能です。
法規制・制度
- GXリーグ
- 経済産業省が主導する、2050年カーボンニュートラル実現を目指す企業群による協議体です。環境測定業界にとっては新たなビジネス機会を生み出しています。
- 化審法
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律で、1973年にPCB問題を契機に制定されました。PFOS、PFOAなども化審法により規制されています。
- 水道法
- 清浄で豊富低廉な水の供給を図ることを目的とした法律です。水質基準は51項目あり、水道事業者は定期的な水質検査が義務付けられています。
- 労働安全衛生法
- 職場における労働者の安全と健康を確保することを目的とした法律です。有害物質を扱う作業場では6ヶ月以内ごとに1回の作業環境測定が必要です。
- 排水基準
- 水質汚濁防止法に基づき、工場や事業場からの排水について定められた基準です。28項目の有害物質について一律排水基準が設定されています。
- 環境アセスメント
- 大規模な開発事業を実施する前に、環境に及ぼす影響について事業者自らが調査・予測・評価を行う制度です。
汚染物質・水質指標
- BOD
- 生物化学的酸素要求量の略で、水中の有機物が微生物によって分解される際に消費される酸素の量を示す指標です。河川の汚濁状態を表す代表的な指標です。
- COD
- 化学的酸素要求量の略で、水中の有機物を化学的に酸化する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算した値です。海域や湖沼の水質評価に用いられます。
- 浮遊物質量(SS)
- 水中に浮遊している不溶解性の粒子状物質の量を示す指標です。排水基準では200mg/L以下とされています。
- 富栄養化
- 湖沼や内湾に窒素やリンなどの栄養塩類が過剰に流入し、植物プランクトンが異常増殖する現象です。アオコや赤潮の原因となります。
- 重金属
- 比重が4〜5以上の金属元素の総称で、カドミウム、鉛、水銀、ヒ素、六価クロムなどが代表的です。公害病の原因物質としても知られています。
- VOC
- 揮発性有機化合物の略で、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが代表的です。光化学オキシダントや地下水汚染の原因物質です。
- ダイオキシン類
- 極めて強い毒性を持つ有害物質で、廃棄物焼却の過程で生成されます。ダイオキシン類対策特別措置法により厳しい排出基準が適用されています。
- マイクロプラスチック
- 5mm以下の微小なプラスチック粒子のことで、海洋汚染の新たな脅威として注目されています。食物連鎖を通じて人体にも取り込まれる可能性が懸念されています。
新興技術・トレンド
- AI画像解析
- 人工知能技術を用いて画像から有用な情報を自動抽出する技術です。水環境分野では油膜の流出や水の色の異常をリアルタイムで検知するシステムが開発されています。
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革することです。IoTセンサーによるデータ収集やAIによる異常検知などが進んでいます。
- リモートセンシング
- 人工衛星やドローンに搭載したセンサーで、対象物に触れずに遠隔から情報を取得する技術です。広域の水質分布を効率的に把握できます。
- LiDAR
- レーザー光を照射し反射光を測定することで対象物の距離や形状を高精度に計測する技術です。地形の3次元モデル作成などに使われます。
- 量子AI
- 量子コンピュータの計算能力を活用したAI技術のことです。環境分野では膨大なデータ解析や複雑な環境シミュレーションへの応用が期待されています。
その他業界用語
- 計量法
- 計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保するための法律です。環境計量証明事業を行うには都道府県知事の登録が必要です。
- 環境省
- 地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護を図ることを任務とする日本の行政機関です。環境関連法令を所管し、環境基準の設定などを行っています。